自己破産は誰でもできるわけじゃない!手続きの流れと費用について解説

借金が自己破産してなくなるためには条件があります。その条件をクリアすることで、免責が認められなければいけません。免責とは借金がゼロになることをいい、どれだけ多額の借金を背負っていても認められる可能性があるのです。

ただ、誰でも自己破産すれば免責されるというものではありません。裁判所の決定を得られなければ、借金はそのままという状態になってしまいます。

自己破産すれば借金がなくなるので安心ではないのです。

そこでこの記事では、自己破産で免責されるためのポイントをお伝えします。あなたの借入状況で、自己破産が可能であるか? ぜひ、参考にしてみてください。

借金がなくなる自己破産の条件とは

借金がなくなることが、自己破産することの一番の効果です。多少の不便さはありますが、返済ストレスから開放される意義は非常に大きいといえます。

弁護士(司法書士)に依頼すれば借金がなくなる、というわけではないということを理解しておくべきでしょう。そのうえで、確実に借金をゼロにしていく方法を、弁護士・司法書士と一緒に考えていくことになります。

じつは、自己破産するには条件があります。「借金を返済したくないから」という理由で自己破産できるというものではありません。その条件にあてはまる人だけが、免責によって借金がゼロになるのです。

この項では、自己破産するための条件について解説します。あなたの借入状況は自己破産できるのか考えてみましょう。

自己破産に必要な条件その①支払い不能状態であること

自己破産が認められるには、お金が払えないことが前提となります。返済にあてるお金があれば、債権者に公平に返済しなければいけません。

自己破産は、返済したくてもできない人を救済するための制度だからです。

たとえば、毎月の給料以上につかってしまうような人は、自己破産は難しいといえます。生活レベルを落とせば、いくらでも返済することは可能だからです。

一方で、借入額が少ない場合でも、本人が支払えないのであれば自己破産できる場合もあります。たとえば、借入金額が30万円や50万円と少額であっても、本人の支払い能力を超えているのであれば、自己破産できる可能性があります。

「借金を返したくないから自己破産しよう」と思っても、誰でも認められるわけではないのです。まずは、あなたの生活を見直してみましょう。そのうえで、弁護士(司法書士)に相談してみるとよいです。

自己破産に必要な条件その②免責不許可事由に該当しないこと

自己破産の申請をおこなっても、免責不許可事由に該当する場合は、免責が認められません。つまり、「自己破産はしたけれど、借金の返済はそのまま」という状況になるのです。

その結果、借入先からの督促が復活することとなります。

免責不許可事由については、以下のような場合が該当します。

補足 免責不許可事由とは

  1. 財産を隠したり、壊したりする行為
  2. 財産を不当に安い価格で売却する行為
  3. ギャンブルや過度な買い物や飲食で債務を負った場合
  4. 他の債権者に支払いができないのに、家族や親友、一定の債権者だけに偏った弁済をした場合
  5. 裁判所に一部の財産を申告しなかったり、虚偽の書類を提出した場合
  6. ローンで買ったものを質入れして現金化する行為
  7. 過去7年に給与所得者等再生、破産手続で免責を得ている場合
  8. 返済することができないことを知りながら、借金をした場合

(参考:法テラス)

ただ、免責不許可事由に該当する場合であっても、免責が認められる傾向にあります。これを、裁判官による「裁量免責」といいます。

たとえば、任意整理などのように継続的に返済することが難しい場合には、借金の一部を積み立てて返済する方法が活発です。債権者にとっても、まったくお金が戻らないよりも、少しでも戻った方がよい、ということになります。

また、弁護士(司法書士)に依頼すれば、免責不許可事由に該当する場合であっても、可能な限り免責となるように努力してもらえます。彼らはあなたの代理人となり、あなたが借金の苦労から開放されるよう全力を尽くしてくれるのです。

自分の借金が免責不許可事由に該当している場合、新たな借入をすることは詐欺行為にあたります。もともと返済不能であるため、借りたお金を返すことはできないからです。

自己破産は大きく2つの段階でできている

まず、破産手続開始の申立てをおこなうことからはじまります。そして、申立てを受けた裁判所は、申立てに不備がないかをチェックするのです。

また、債務者の財産状況を調べていきます。ここでは、弁護士(司法書士)があなたに代わって、裁判官の審尋をうけることになります。

そして、破産手続きすべきであるか、免責不許可事由に該当しないかを調べたのちに、次の段階に進むことになるのです。

具体的には、管財事件か同時廃止かを判断することになるのです。以下、それぞれの手続きについて解説します。

自己破産の手続きその①管財事件か同時廃止か

自己破産には、大きく分けて2つの手続きがあります。債務者の財産状況によって、どちらの手続きに進むのかが決まります。

具体的には、以下の手続きです。

  1. 破産管財
  2. 同時廃止

以下、それぞれの手続きについて解説します。

破産管財とは

管財事件とは、債務者に財産があるときにおこなわれる手続きです。「破産管財人」が選出され、債権者に分配できないかを調査するのです。

たとえば、資産価値のある住宅などは競売にかけるなどして換価され、債権者に分配することとなるのです。また、一定の条件を満たした車なども財産とみなされます。

財産が換価され、債権者に配当されると免責手続きに移ります。配当をおこなった結果、ほかに返済できるような財産がなければ、免責手続きへと移行するのです。

財産の換価を経て返済し、まだ借入が残る場合には、残りの借金を免責手続きに移行するので。そして、免責の許可決定があれば、晴れて借金がゼロとなるのです。

同時廃止とは

続いて同時廃止について説明します。同時廃止とは、破産手続開始後に、目ぼしい財産がない場合におこなわれる手続きです。

具体的には、事前に用意した書類をもとに裁判官が調査します。そして、「財産なし」と認められれば、借金がゼロになる手続きに移行します。

私の場合は「同時廃止」でした。

収入以上に借金があり、他に目ぼしい財産はもっていません。住宅は親の名義ですから、そもそも換価対象ではありません。車は7年以上乗ったミニバンですので、「財産価値なし」とみなされたのです。

同時廃止と認められると、免責手続き移行することになります。

自己破産の手続きその②免責手続き

破産管財または、同時廃止となった場合でも、免責手続きをおこなわなければ借金はゼロになりません。そういう意味では、破産手続きのなかでも、もっとも銃用な手続きであるといえます。

具体的には以下の4つの流れでおこなわれます。

  1. 免責許可の申立て
  2. 免責の審理
  3. 免責許可の決定
  4. 免責の確定

いずれの手続きも、弁護士・司法書士がすべて代理でおこなってくれます。

日本弁護士連合会は債務者保護の立場が明確

自己破産の手続きでは、裁判官の決定でほとんどの場合で免責されています。自己破産を求める人の多くは、経済的に困窮している場合がほとんどだからです。

これを裁量免責といいます。もちろん、裁判官の心証を決めために弁護士・司法書士の力は大きいです。個人で裁量免責を勝ち取るのはむりでしょう。

実際に、免責不許可事由に該当する場合でも免責が多い理由は、日本弁護士連合会の意見書にもあらわれています。

破産法等改正法案(以下「法案」という)が発表され、その中で、個人の破産・免責の見直しにおいては、激増する個人破産に対処し、多重債務者の生活再建を容易にするため、破産手続と免責手続の一体化及び自由財産の拡大がなされた。

引用:日本弁護士連合会

このような意見もあることから、いまでは、ほとんどの場合に免責されているというのが現実なのです。

非免責(免責されない)債権とは

借金の返済が免責されたとはいえ、すべての支払いが免除されるわけではありません。免責の対象となるのは、あくまで「公的な債権以外」です。

たとえば、税金の支払いは免責されません。実際、私も所得税の支払がそれなりに大きかったため、支払いに苦労したことを憶えています。

自己破産したから、支払いはすべて免除されるというものではないということを知っておきましょう。

借金を自己破産で免責される条件とは?

借金を自己破産で免責されるためには、「破産原因」があるかどうかが問題となります。

「破産原因」とは、支払い不能であることをいいます。裁判所の調査によって、自己破産が妥当であると判断されるのです。

ただ、はじめに考えなくてはならないのは、自己破産する必要があるのか? ということです。自己破産するのではなく、任意整理や個人再生で借金が減額できる場合もあるからです。

破産原因が認められない理由

あなたの手元には財産がなくても、あなた独自の技術や権利などに財産価値があれば、支払い不能とはみなされません。

たとえば、あなたがもつ特許権によって、毎年一定額の報酬が得られるような場合には、財産を所有していると判断される可能性があります。

一方で、あなたが所有する土地の価格が、10年以内に値上がりする見込みがあったとしても、現時点では財産がないものとされる場合もあるのです。

つまり、破産原因があると認められるには、継続的な返済が不可能であることを証明しなければならないということです。

たとえば、毎月20万円の給料をもらえる場合でご説明します。

最低限の生活に必要な経費を除いて、継続的な返済ができるかどうかが問題となります。仮に生活費として15万円かかる場合、返済額が毎月7万円であれば破産原因があると認められることもあるのです。

一般的に、返済が不能であるための判断基準は以下のとおりです。

  1. すでに返済が遅れていること
  2. 借入総額が月々の収入の20倍以上である
  3.  3年で返済することが難しい
  4. 財産を売却しても返済できない
  5. 返済条件を緩和しても返済できない

一般的には、将来利息をカットしてもらう場合が多いです。利息の支払いが不要になることから、元本を確実に返済できるからです。

しかし、それでも返済が厳しければ、自己破産や個人再生を考えなければいけません。

また、借入総額が小さい場合でも、自己破産できる可能性があります。たとえば、生活保護を受けているような場合には、支払い不能と認められる可能性が高いでしょう。

このように、自己破産するかどうかは、支払い不能であるかどうかによって決まるのです。

自己破産の条件に合わない場合の債務整理方法

自己破産できなかった場合でも、他の債務整理方法で解決する道はあります。

その他の債務整理方は返済が前提ですが、借金を減額できる効果は期待できるのでおすすめです。

たとえば、任意整理は借入金額が少なく、家族や知人を心配させたくない人に向いている手続きです。また、個人再生は受託ローンの支払いがあり、借入額も大きい人に向いています。

仮に自己破産が認められない場合でも、解決策はあります。まずは、弁護士・司法書士に相談してみましょう。

弁護士・司法書士との相談で必要な情報は二つ

借金整理の手段として債務整理を考えたとき、弁護士や司法書士に相談することは正しい選択です。債務整理は法律的な知識が不可欠であり、個人でおこなうのは困難だからです。

この時、何の準備もせずに事務所を訪問すれば、借金の現状を伝え忘れる心配があります。

確かに、専門家と話すだけで安心できるというメリットはあります。

しかし、実際に借金を整理するつもりであれば、現状を正確に伝え、一緒に解決策を考えていく必要があるのです。

そこで相談する前に、現在の借入状況まとめておくことをおすすめします。

相談をする際には、最低限必要な情報は以下のとおりです。

  1. 借り入れはいくらあるのか
  2. 現在の収入はいくらなのか

以上について、相談する前には調べておきたいです。その方が手続きがスムーズに進められるからです。下記の表を参考にして、借入先の情報をまとめてみましょう。

借入先借入年月日借入金額借入残高借入の理由
○○クレジット㈱2016年1月15日30万円15万円ショッピング
○○信用金庫2016年3月20日100万円80万円カーローン
○○○○公庫2017年11月10日150万円105万円教育資金
○○ファイナンス2018年7月20日100万円90万円生活資金

間違っても、見栄を張って収入を多く伝えたり、借金を少なく申告することはやめましょう。

自己破産の場合、虚偽の申告は「免責不許可事由」となるからです。つまり、自己破産しても、借金がなかならないという結果になります。

弁護士・司法書士との信頼関係を築くためにも、正確な情報を提供しましょう。

弁護士・司法書士から求められる情報

弁護士・司法書士に依頼すると、さまざまな書類の提出が必要になります。事前に必要な情報を整理しておけば、手続きにかかる期間も短縮できますので、できるところから準備しておきましょう。

事前に用意しておく情報は以下のとおりです。

クレジットカードの請求書や領収書など

利用明細をまとめてみましょう。手元に残っている書類は、なるべく提出できるようにまとめておきましょう。

借入先ごとの詳細な情報

だいたいでかまいませんので、以下の情報をまとめてみましょう。

  1. いつごろから借りているのか
  2. どこから借りているのか
  3. いくら借りているのか
  4. 借入総額いくらか
  5. 毎月いくら返済しているか
  6. 家族や親戚から借りていないか
  7. 連帯保証人付きの借り入れがあるか
  8. 誰かの証人になっているか

担保に入ってるものはないか

例えば、住宅ローンを組んでいる場合は、自宅を担保に住宅ローンを組みます。お金を借りた際に、担保を提供していないか確認しましょう。

土地や建物を担保として提供するには、登記簿に記載しなければいけません。詳しくは、司法書士に相談してみましょう。

収入に関する情報

以下の情報をまとめましょう。だいたいの金額でかまいません。

  1. 職歴・収入の状況
  2. 家族構成
  3. 家族の収入
  4. 生活状況・家賃等

以上を整理して、弁護士に相談しましょう。

弁護士の先生との信頼関係が一番です。弁護士の先生との信頼関係なければ、借金問題の解決は図れません。

自己破産にはいくらかかる?費用の全体像について

自己破産にはいくらかかるかは、弁護士・司法書士事務所によってことなります。報酬額について決まりがないため、依頼する場合は比較してみることが重要です。

弁護士・司法書士費用

弁護士・司法書士の費用は事務所によって異なりますが、金額の相場はおおよそ同じです。任意整理とちがい、自己破産は書類の作成が多くなります。また、裁判所での手続きも増えることから、報酬額も比例して高いくなるのです。

手続きにかかる費用は、破産をする方の財産がどれだけあるのかによって違います。

裁判所へ支払う費用

裁判所へ支払う費用は、自己破産の手続きが「同時廃止」であるか、「管財事件」となるのかによってことなります。

まずは、「実費」についてお伝えします。どちらの手続きでも、実費は負担しなければなりません。

実費の内容としては、官報への掲載料・印紙代・郵送代などがかかります。「同時廃止」の場合は、報酬額と実費を支払うことで自己破産の手続きが完了するのです。

一方で「管財事件」となった場合には、さらに費用が必要となります。

管財事件とは、借金の理由が「免責不許可事由」に該当する場合の手続きです。具体的には、収入や支出について詳しく調査がおこなわれます。

この調査を行うのが「管財人」である弁護士です。管財事件になった場合にかかる費用は、管財人の報酬にあてられています。

事務所名予納金管財事件となった場合
アストレックス司法書士事務所3万円程度管財となった場合は、破産管財人の報酬が必要(20万~50万円)
イストワール法律事務所3万円程度管財となった場合は、破産管財人の報酬が必要(20万円程度)
アヴァンス法務事務所3万円程度管財となった場合は、破産管財人の報酬が必要(20万円程度)
(公式ページより抜粋)

自己破産費用を分割で支払う

すでにお伝えしているとおり、自己破産にかかる費用は高額です。そのため、一括で支払うことが難しい方も多いでしょう。

そこで、費用を分割して支払う方法をご紹介します。分割払いができれば、毎月、可能な範囲で支払うことも可能です。より多くの人が自己破産制度を利用できるため、とても良心的であるといえます。

自己破産費用を分割払いするには、以下の2つの方法があります。

弁護士・司法書士事務所の分割払いを利用

弁護士・司法書士事務所のなかには、分割払いに対応しているところがあります。分割回数は事務所ごとにことなりますが、6回の分割で対応している事務所が多いです。

ただ、分割回数については個別に相談すれば柔軟に対応してもらえる場合もあります。まずは相談して、毎月いくらづつ支払えるのか考えてみましょう。

法テラスの建て替え制度を利用

法テラスの「立替え制度」を利用すれば、月々わずかな返済で自己破産の手続きをすることができます。

まず、法テラスが弁護士・司法書士事務所に立替え払いをします。そして、債務者本人から法テラスに返還することになるのです。

法テラスを利用するには、一定の条件に合致していなければいけません。そのため、だれでも自己破産できるわけではないのです。

具体的には、以下の表のような制限があります。

家族の人数手取り月収額(賞与を含む)家賃や住宅ローン・教育費の支払いがある場合の加算額
単 身 者 182,000円
(200,200円)
41,000円
2人家族251,000円
(276,100円)
53,000円
3人家族272,000円
(299,200円)
66,000円
4人家族299,000円
(328,900円)
71,000円
※カッコ内は、東京・大阪など大都市の基準です。
※教育費には塾費用は含まれません。

自己破産は弁護士と司法書士どちらがおすすめ?

自己破産にかかる費用は、司法書士の方が弁護士よりも安い場合が多いです。

司法書士の方が安い理由として、借入金額の上限が1社あたり140万円であるということがあります。1社での手続きが140万円を超える場合は、「弁護士法違反」となるのです。

ただし、書類の作成については140万円が上限であることの制限を受けません。

裁判所に提出する書類は、作成から提出するまでサポートしてもらえます。弁護士が本人の代理人として裁判に出席できるのに対し、司法書士は書類作成で本人を支えるという違いがあるのです。

司法書士の方が安い理由は、業務の範囲に違いがあるからということです。書類の作成は専門家に依頼し、あとは自分が対応できるのであれば、司法書士を選ぶとよいでしょう。

一方、裁判所での手続きが不安な方は、すべての手続きを弁護士に依頼すればよいということになります。

まとめ

いかがでしたか?

わたしは借金が払えなくなって、やっと弁護士さんに相談しました。相談した結果、「もっと早く手続きすればよかった」と感じました。

どうしても「自己破産だけはしたくない」という気持ちが強く、なかなか決断することができなかったからです。

しかし、実際に自己破産してみると何も心配するようなことはありませんでした。とくに不自由を感じることな、穏やかな日常を暮らせています。

積極的に自己破産すべきではありませんが、どうしても返済ができない場合には検討してみるのもよいでしょう。その場合、自分が自己破産できるのか? 検証してみてください。

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