住宅ローンが70歳までの人が注目!個人再生のメリット・デメリットを解説

個人再生は、任意整理と自己破産の中間的な手続きです。

減額効果は任意整理より大きく、自己破産よりは小さいといえます。とくに、借入金額が多く、住宅ローンをかかえているという人には個人再生がおすすめです。家を守りながら、大幅な減額が可能だからです。

ただ、多くの人は個人再生という手続きがあることを知りません。その結果、任意整理に踏み切れず、自己破産することもできないまま、借金返済を続けているのです。

そこでこの記事では、個人再生のメリットとデメリットについて解説していきます。あわせて、個人再生が向いている人・向いていない人についても紹介していますので参考にしてください。

個人再生とは?任意整理・自己破産との違い

個人再生とは、どのようなケースで利用すべき手続きであるのかをご紹介します。個人再生は、とくに「住宅ローン」の支払いがある方に適した手続きといえます。任意整理・自己破産と比較して解説します。

任意整理は基本的に持ち家を残せる

任意整理とは、裁判所を介さずに借入業者とのあいだで返済額や返済期間などを話し合い、合意することで解決を図る手続きです。

任意整理では、家を残すことができます。なぜなら、減額交渉する借入先を選ぶことができるからです。

個人再生や自己破産が8ヵ月~1年以上かかるのに対して、任意整理は半年以内で手続きが完了する場合がほとんどです。

また、弁護士・司法書士に依頼した場合の費用も安くおさえられます。個人再生や自己破産が20万円以上かかるのに対して、任意整理は20万円以内でおさまるのが普通です。

一方、デメリットもあります。個人再生や自己破産に比べると、減額幅が小さいということです。持ち家は残すことができますが、大幅な減額は望めませんので、引き続き返済していく必要があります。

自己破産は持ち家を処分するのが基本

自己破産する場合、基本的に「持ち家」は処分しなければいけません。ただし、持ち家の「登記名義人」が自己破産する本人である場合のみです。家族所有の家に住んでいる場合は、自己破産しても何も影響はありません。

自己破産は、自分のもつ財産をお金に換えて返済したうえで、借金を帳消しにしてもらう手続きだからです。任意整理や個人再生との一番の違いは、借金の返済が免除されるということです。

誰もが、「持ち家」を失うような状況には陥りたくありません。そのため、自転車操業状態で苦しい返済を続けている人が大勢いらっしゃいます。

なかには、自分を責め、家族を巻き込んで人生を終わらせてしまうケースもあるのです。

しかし、実際の自己破産はそれほどデメリットばかりだとは思いません。私の場合、借金がなくなったことで生活に余裕が生まれ、少額ながら貯蓄できるまでになりました。

私が住んでいる家は「家族所有」であったため、失うことなく借金を免除してもらいました。あなたも、家の所有権がだれなのか調べてみると良いでしょう。私と同じであれば、持ち家にそのまま住み続けることができます。

自己破産すると「持ち家」を失う可能性は大きいですが、私のようなケースもあるため諦めないでください。

個人再生は持ち家を残せる可能性がある

個人再生は、任意整理しても返済が難しい場合に利用する価値があります。なぜなら、任意整理に比べて減額幅が大きいからです。

また、個人再生を選ぶ一番の目的ともいえるのが、「持ち家を残せる」ということです。個人再生は、持ち家を残しつつ大幅に借金を減額できるという整理方法なのです。

ただし、個人再生は裁判所を介する手続きであるため、手続きが複雑になります。

手続きにかかる期間は、1年~1年半は想定しておかなければいけません。そのあいだ、必要に応じて裁判所に出頭するケースもあるため、仕事を休まなければいけないなどのデメリットもあります。

また、前述したように弁護士・司法書士への報酬額も高額です。

それでも、苦労して手に入れた「持ち家」を残せるというメリットは大きいです。「自己破産はしたくないけど、持ち家は残したい」という方には、理想的な手続きかもしれません。

給与所得者等再生の返済額は可処分所得と最低弁済基準額の多い方で決まる

給与所得者等再生における返済額は、可処分所得の2年分または最低弁済基準額の、どちらか多い金額を返済することになります。

可処分所得とは
可処分所得=収入-[税金(国税+住民税)+社会保険料+最低限の生活費]
  • 収入:源泉徴収票[支払い額を参照]
  • 社会保険料:源泉徴収票[社会保険等の額を参照]
  • 国税:源泉徴収票[源泉徴収税額を参照]
  • 住民税:納税証明書を参照
  • 最低限の生活費:以下にて記載

最低限の生活費とは、年齢や住んでいる地域によって異なります。

具体的には、個人別生活費・世帯別生活費・冬季特別生活費・住居費・労働必要経費の5つに分けられています。

補足

  1. 個人別生活費とは、対象となる人が生活するうえで必要とされる費用をいいます。
  2. 世帯別生活費とは、地域や家族構成によって定められている費用をいいます。
  3. 冬季特別生活費とは、冬季の暖房費を考慮した費用のことです。北海道と大阪では違って当然ですよね?
  4. 住居費とは、住居の維持費です。賃料など、地域によって違いがあります。
  5. 労働必要経費とは、地域や収入に応じて定められています。

以下、具体例をもとにご説明します。

大阪市在住の家族4人の場合

  • 夫の手取り年収500万円
  • 夫(38)・妻(34)・長男(7)・長女(4)の場合
家族個人別生活費
499,000円
499,000円
長男429,000円
長女340,000円
合計1,767,000円
世帯別生活費(家族4人)703,000円
冬季特別生活費(家族4人)27,000円
住居費(家族4人)653,000円
勤労必要経費(年収500万円)555,000円
合計1,938,000円

上記の計算により、合計3,705,000円となります。そこで、手取り年収500万円から差し引くと、1,295,000円の可処分所得が求められました。

その結果、可処分所得の2年分と最低弁済基準額を比較すると、可処分所得の方が多くなりますので、2年分の2,590,000円が返済しなければならない金額となります。

なお、上記の計算で求めた金額は法律の改正等で変動する場合があります。最新の情報については、法務省のウェブサイト等で確認してください。

法務省のウェブサイトはこちら

給与所得者等再生では借金以外に資産があれば返済額が増える

給与所得者等再生では、借金がある一方で資産がある場合には、最低弁済基準額以上に返済しなければいけません。

これは、清算価値保障という原則に基づいています。清算価値保障とは、給与所得者等再生により返済する金額が、自己破産した場合の金額を下回ってはいけないという原則です。

たとえば、400万円の借入があったとき、最低弁済基準額では100万円まで圧縮されます。(以下の表をご覧ください)

借入金額個人再生後の金額
100万円未満その金額を返済する
100万円以上500万円未満100万円
500万円以上1,500万円未満借金総額の5分の1
1,500万円以上3,000万円未満300万円
3,000万円以上5,000万円未満借金額の10分の1

しかし、借金とは別に、貯金が200万円あった場合はどうでしょうか? 貯金が200万円あるのに、100万円だけ返済すれば良いというのは不平等ですよね。

そこで、自己破産した場合にはいくら返済しなければならないのか比較されます。自己破産した場合は、400万円が帳消しになる代わりに、200万円が債権者への返済に充てられます。

そのため、給与所得者等再生でも、最低弁済基準額以上である200万円の返済が必要となるのです。

画像 借金以外の資産があれば最低弁済基準額以上の返済が必要

借金以外の資産があれば最低弁済基準額以上の返済が必要

個人再生のデメリット

個人再生には、メリットだけでなくデメリットもあります。そのため、「家を守れるから」という理由だけで、強引に手続きを進めることはおすすめできません。

個人再生は、裁判所に仲介してもらいながら、借入先と交渉する手続きです。そのため、裁判所に提出するための書類を準備しなければなりません。この書類準備が大変であるのも特徴といえます。

まずは、個人再生のデメリットについて解説していきます。

個人再生は必要書類が多い

個人再生のデメリットとして、書類の準備が大変であることがあげられます。借入先にも協力してもらわなければ、すべての書類が揃わないからです。そのため、書類作成についても、債務整理の専門家である弁護士(司法書士)に依頼されることをおすすめします。

また、任意整理や自己破産に比べて利用者が少ないのも特徴です。個人再生を利用する人の割合は、債務整理全体の10%ほどにとどまっています。その理由としては、書類準備の大変さもあるのです。

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債務整理で利用される手続きの比率

具体的には、下記の書類を提出しなければなりません。いずれの書類も、裁判所に用意してあります。

【再生手続開始申立書】

再生手続を申し立てる際に提出する書類です。

あなた(申立人)の氏名・住所・年齢・生年月日および、代理人の氏名・住所・連絡先を記載します。そのほか、申立ての趣旨と申立ての理由の記載が必要です。

また、「毎月◯日に◯◯万円の返済をおこなう」といった、返済条件に関しても記載しなければいけません。

【収入一覧および主要財産一覧表】

こちらの書類は、収入および主要財産について記載します。

収入については、給与についての記載が必要です。具体的には、毎月の給与額および、賞与(ボーナス)を記載します。

主要財産は、現金・預金および自動車の下取り価格等を記載します。その他、財産価値が認められるものについては隠さずに記載しましょう。

その他としては、就業状況(過去10年間の転職歴等を記載します。個人事業主の場合は、事業を開始した日を記載することになります。

また、家族の氏名・続柄・年齢・住まいの状況(持家・賃貸)についても記載しなければなりません。

【債権者一覧表】

こちらの書類には、債権者の名前・住所および債権金額(貸付金額)を記載します。

この債権額を把握するには、借入先に資料を要求する必要があります。

しかし、個人が借入先に依頼しても、素直に応じてもらえない場合がほとんどです。

そこで、債務整理の専門家である弁護士(司法書士)に依頼することになります。以下は、債権者一覧表例です。

借入先借入年月日借入金額借入残高借入の理由
○○クレジット㈱2016年1月15日30万円15万円ショッピング
○○信用金庫2016年3月20日100万円80万円カーローン
○○○○公庫2017年11月10日150万円105万円教育資金
○○ファイナンス2018年7月20日100万円90万円生活資金

【添付書類】

申立書類と添付資料は、セットで3通ずつ用意する必要があります。2通は裁判所に提出し、1通はあなたの控えです。

具体的には、以下の書類が必要にあなります。

対象書類書類名
申立書住民票・戸籍謄本
収入一覧表確定申告書または源泉徴収票
債権者一覧表請求書・契約関係書類
主要財産一覧表預金通帳・株券・保険証券など
債権者への通知用発送用の切手代等

上記の書類のなかで、とくに住民票や源泉徴収票は平日に市役所等で取得する必要があります。

弁護士(司法書士)に依頼すれば、平日であっても書類の取得をおこなってもらえるので便利です。ぜひ一度、相談してみましょう。

個人再生の影響は保証人にも及ぶ

個人再生の影響は、連帯保証人にも及びます。連帯保証人は、債務者と同一の義務を負うからです。つまり、連帯保証人も債権者に返済しなかればなりません。事前に保証人と相談した方がよいでしょう。

個人再生によって借入総額は減少されますが、その効果は連帯保証人に及びます。つまり、連帯保証人は全額を返済する義務を負っているのです。

たとえば、債務者の借入額が450万円である場合、個人再生の手続きによって100万円まで減額されます。

しかし、連帯保証人に減額の効果は及びません。つまり、450万円を支払う責任があるのです。

連帯保証人に資力があれば問題ないかもしれません。

しかし、多くの場合は代わりに返済できる余裕はありません。返済できずに、連帯保証人も自己破産するケースもあるのです。

個人再生の手続きをする前には、必ず連帯保証人に話しておくべきでしょう。

個人再生のメリット

個人再生をすれば「家を残せる」というメリットがあります。減額幅も大きく、債務者にとってメリットが大きいことも事実です。

家を残せるというメリットはとても大きいです。住み慣れた家を手放すことなく、じっくりと返済することができるからです。

そこで、この項では個人再生のメリットをお伝えしていきます。

任意整理に比べて大幅な減額が可能

自己破産が家を手放さなければいけないのに対し、個人再生は、家に住みながら、借金を返済していく手続きです。

また、個人再生は住宅ローン以外の借入を大幅に減額することができます。任意整理は、将来利息(完済するまでに発生する利息のこと)をカットして、残額を返済していく手続きです。

これに対し、個人再生では以下のように減額できることが規定されています。

借入金額個人再生後の金額
100万円未満その金額を返済する
100万円以上500万円未満100万円
500万円以上1,500万円未満借金総額の5分の1
1,500万円以上3,000万円未満300万円
3,000万円以上5,000万円未満借金額の10分の1

たとえば、200万円を3年かけて返済(利息なし)する場合を考えてみましょう。任意整理と個人再生による、返済額の違いがわかります。

任意整理の場合
任意整理で200万円を返済する場合、月々の返済額は56,000ほどになります。返済できない金額ではありませんが、3年かけて返済するのには、少し難しいと感じます。
個人再生の場合
個人再生で200万円を返済する場合、借入総額は100万円まで圧縮されます。月々の返済だと28,000円ほどになるでしょう。これなら現実的な数字ではないでしょうか。

このように、任意整理よりもずいぶんと減額することができます。自己破産ができない場合でも、個人再生なら同様の効果が得られるかもしれません。

自宅に住みながら返済が可能

また、個人再生は住宅ローン返済中の方に有効な手続きです。

住宅ローンに関する特則(返済スケジュールを組み直して、支払いを継続すること)によって、住宅ローンを返済しながら、その他の借入を大幅に減額できるからです。

自己破産の場合は、自宅を手放さなければならない可能性があります。

個人再生は、いまの家に住みながら借金整理できるため、精神的な負担を抑えることができます。

住宅ローン以外の借入も大幅に減額されるため、毎月、確実な返済ができるような再生計画案を立てましょう。

職業制限がなく仕事を続けられる

自己破産と違い、職業を制限されるということはありません。

自己破産の場合は、免責決定(返済を免除されること)が出るまでは、就ける職種に制限がありました。

たとえば、税理士や警備員といった職業は、「信用」で成り立っています。そのため、自己破産の開始決定から免責決定までのあいだは、就けない職種として決められているのです。

その点、個人再生ならば職業の制限はありません。あなたが現在、警備会社に勤めていたとしても、仕事をクビになることはありません。これを機会に転職してもよいでしょう。

ただし、個人再生は「再生案に基づいて返済を継続する」必要があります。今の給料よりも低い仕事に就くわけにはいきません。

計画通りに返済できなければ、個人再生の手続きそのものが無効になってしまうからです。無効になれば、債権者からの取り立てが再開する可能性も否定できません。

再生計画案を考える段階から、確実に実行できる返済スケジュールを立てることが大切です。

再生計画が理由なく実行されない場合のペナルティ

個人再生の再生計画が理由なく実行されない場合、債権者の申立てにより再生計画そのものが取り消されてしまいます。

再生計画が取り消されると、再生計画そのものが無効となります。再生計画に基づく圧縮額は無効となり、全額を返済しなければいけなくなるのです。

場合によっては、一括返済を求められることもあるでしょう。

一括返済を求められた場合、返済できないのが普通です。結果的には、自己破産するしか方法がありません。

再生計画の取消しのリスクとは?

再生計画の取消しは、再生債権者が共同しておこないます。債権総額の10分の1以上の債権者が協力して、裁判所に申立てをおこなうのです。

そして、申立てが認められれば再生計画が取り消されてしまいます。

再生計画が取り消されると、再生計画で圧縮された借金は元通りになります。すでに返済した部分は除いて、残額については一括返済を求められるでしょう。

一括返済を求められた場合は、結果的に自己破産するより仕方ありません。財産と引き換えに、返済を免除してもらうのが妥当だからです。

具体的には、自宅は競売にかけられ、再生計画中に得た財産も返済にあてることとなります。

再生計画が取消される場合とは、以下のケースが該当します。

  1. 再生計画が不正な方法で成立したとき
  2. 債務者が再生計画の履行を怠ったとき
  3. 債務者が法定の義務に違反したとき
  4. 計画弁済総額が再生計画決定時の清算価値を下回るとき

再生計画の履行が難しい場合の正しい選択

一定の事情があれば、再生計画の変更を求めることができます。計画を見直すことにより、少しでも多く返済してもらうのが目的です。

具体的には、返済期間の延長があります。通常の返済期間は3年ですが、特別な事情があれば最長で7年まで延長することができるのです。

また、どうしても再生計画の履行が難しい場合には、ハードシップ免責という手続きもあります。これは、返済額の一部を免除してもらう手続きです。

上記のように、再生計画の実行が難しくなれば対応策もあるのです。

理由なく滞納をしてしまうと、再生計画が取り消されるなど状況が悪くなるばかりです。

再生計画通りに履行することは必須です。たった一度だけ返済が遅れてしまうことで、重大な結果を招くことにもなりかねません。

安易に考えるのではなく、弁護士・司法書士に早めに相談してください。

個人再生後の返済期間は原則3年、特別な事情がある場合は5年

個人再生手続きによって返済額が確定した場合、減額後の借金は3年で返済しなければいけません。いくら返済しなければならないのか? については、以下の表をご覧ください。

借入金額個人再生後の金額
100万円未満その金額を返済する
100万円以上500万円未満100万円
500万円以上1,500万円未満借金総額の5分の1
1,500万円以上3,000万円未満300万円
3,000万円以上5,000万円未満借金額の10分の1

ここで、私自身のケースをもとにご説明します。私の場合は、減額前の借金が450万円ありました。そこで上記の表に当てはめてみると、減額後は300万円の借入残高となります。

つまり、300万円を3年間(36回)で返済することになりますので、月々の返済額は83,000円程度となります。

月々の返済が83,000円ということは、一般的な家庭では厳しいのではないでしょうか? 住宅ローンの返済があることも考えれば、ギリギリの生活を余儀なくされるでしょう。

さらに、生活していくうえで予期せね出費は免れません。慶弔による支出や、家族の入院や通院など、当初は考えていなかったような支払いがつきものです。

年収が高い家庭であれば問題ないのかもしれませんが、3年間も返済し続けるのは不可能だといえます。

そこで、特別な事情がある場合には、5年で返済することが認められています。特別な事情とは収入減などがあげられますが、債権者の同意が得られなければ延長は認められません。

返済期間が5年であれば、月々の負担を減らすことができます。返済額が300万円であれば、月々の返済額は5万円に抑えることができます。月々5万円であれば、何とか支払いができる家庭もあるでしょう。

画像 通常は3年または5年

通常は3年または5年で返済する

個人再生の返済期間は最長で7年

また、5年の再生計画後であっても、債権者の同意が得られれば、さらに2年間の返済期間延長を求めることができるのです。

つまり、最長で7年の返済期間まで延長することができます。返済額が300万円であれば、月々35,000円程度まで圧縮することができるのです。

ただし、2年間は生活レベルを落とさなければいけません。生活保護を申請できる程度の生活水準は必要となりますが、完済までのイメージが、グッと近づいたように感じるのではないでしょうか。

画像 同意が得られれば2年延長も可能

同意が得られれば2年延長も可能

裁判所の職権に基づく破産手続開始決定

個人再生手続の申立てがおこなわれ、これが失敗に終わったときは、裁判所は職権で破産手続開始決定をおこなうことができます。これを、牽連破産(けんれんはさん)といいます。

せっかく再生計画がまとまったわけですから、計画どおりに実行しなければいけません。職権で取り消されれば、自己破産すること以上にダメージを受けることになります。

牽連破産とならないよう、早めに対策することが大切です。

個人再生が向いている人

個人再生は、住宅ローンの返済中で、その他の借入額が多い人に最適です。

自宅を残すことができるだけでなく、その他の借金を大幅に減額することができるからです。

また、自己破産を断られた場合でも、個人再生なら対応できる可能性があります。

住宅ローン以外の借金が450万円あった場合、個人再生によって、100万円まで減額することができるからです。

ただし、住宅ローンとその他の借金を返済し続けることができなければいけません。返済できなくなれば、そもそも個人再生がおこなわれなかったことになります。

ふたたび借金取りに追われないように、確実な再生計画を立てることが大切です。

個人再生に向かない人

住宅ローン以外の借入が、5,000万円を超える場合には利用できません。

また、再生計画案の認可を受けても、約束どおりの返済ができなければいけません。

特に理由もなく返済ができなくなれば、再生計画は取り消されることになります。手続きが取り消された場合は、自己破産へと移行することになります。

また、一部の債権者を除外するような行為をした場合は、再生計画案そのものが不成立となります。

これは、再生計画案を作成する段階で、債権者一覧表への記載を不正に外す行為が該当します。

返済が順調に進んでいても、再生計画案そのものが不正に成立したことになるからです。この場合にも、手続きは自己破産に移行することになります。

個人再生の期間は6ヶ月!手続きの流れを紹介

個人再生は、手続きに6ヶ月ほどの期間がかかります。「再生計画案」を裁判所に提出し、債権者の承諾が得られれば、計画に沿って返済していく手続きです。

再生計画案とは
あなたが返済できる返済プランをまとめ、債権者と協議するための計画案のことです。無理な返済計画ではなく、実現可能な範囲で誠意をもった内容であることが求められます。

個人再生の手続きは、以下のような流れになります。

  • 借入総額が5,000万円以下であること
  • 給与収入または、定期収入があること
  • 収入の変動幅が少ないこと

  1. 個人再生手続きの申立
  2. 再生手続きの開始決定
  3. 財産調査・再生債権の評価
  4. 再生計画案を提出
  5. 再生計画の認可・再生債権の確定
  6. 返済計画実行

1~5までにかかる期間は約半年です。

個人再生手続きの申立て

手続きは、債務者自身が申立てなければいけません。裁判所によって、手続きに不備がないか検討されます。

個人再生手続きを自分でおこなう場合には、裁判所や役所に提出する書類をつくる必要があります。平日に窓口にいかなければいけないため、弁護士や司法書士に依頼されることをおすすめします。

なお、弁護士や司法書士に依頼しなかった場合には、再生委員への報酬を裁判所に納めなければいけません。この報酬額のことを「予納金」といい、金額は30万円程度かかります。

再生手続きの開始決定

開始決定がおこなわれると、債権者は債務者に対して強制執行(家の差押や、給与債権の差押など)できなくなります。すでに差し押さえなどの手続きがおこなわれていた場合には、手続きを中止することができるのです。

裁判所は、債権者の届け出と内容の異議申立てを「官報」によって公告します。官報を公示することにより、債権者を特定することになるのです。各債権者には、再生手続きが開始されたことの通知が送付されます。

財産調査・再生債権の評価

債権者は、送られてきた通知をもとに、債権内容に異存がないかを届け出る必要があります。(異存がない場合には、届け出はおこなわれません)

異存がある場合には、届出期間内に裁判所に申し出や、異議を述べなければいけません。申し出があった場合には、裁判所は個人再生委員の意見を受けて、債権を調査することになります。

改めて債権が調査されることにより、債権存在の有無や債権額について確定されることになるのです。

再生計画案を提出

「再生計画案」は債務者自身が作成して、期限内に裁判所へ提出しなければいけません。再生計画案は、財産状況等の報告書が提出されたにちに、次の手続きに移ります。

「小規模個人再生」の場合は、債権者の書面による決議を受けることになります。「給与所得者等再生」の場合は、債権者の決議はありませんが、裁判所の意見を受けることがあるのです。

再生計画の認可・再生債権の確定

小規模個人再生の場合は、再生計画案が債権者に可決されたときに、認可決定がおこなわれます。また、給与所得者等再生の場合には、債権者の意見陳述期間が経過した段階で認可決定となるのです。

いずれの手続きでも、不許可事由に該当しないことが前提となります。認可決定が確定すれば、手続きは集結するのです。

返済計画実行

上記の段階を経て、返済計画に沿って減額後の借金を返していくことになります。

ハード・シップ免責の効果とは?

裁判所の許可を得てハード・シップ免責が確定した場合、すでに返済した金額を除いた残額について、支払うことが免除されます。つまり、債務者の返済義務は免除されることとなるのです。

しかし、このハードシップ免責の効果は、保証人や担保権者(債務者に対する債権取得者)には影響を及ぼしません。
たとえば、債務者はハードシップ免責により返済を免れても、保証人は残額を支払う義務が残ります。

また、債務者の不動産に抵当権を設定している債権者は、差し押さえ等の執行をすることができるのです。

ハードシップ免責の効果は、一見すると債務を免除されることにメリットを感じがちですが、さまざまな影響も避けられないため、実行するには注意が必要であるといえます。

ハード・シップ免責を受けるための条件

ハードシップ免責を受けるためには、厳しい条件をクリアしている必要があります。具体的には、以下の4つの条件が該当します。

  1. 予期せぬ事情により返済困難となった場合
  2. 4分の3以上の返済が終わっている場合
  3. 債権者が再生計画時より多くの返済を受けている場合
  4. 返済計画の変更で対応できない場合

それでは、ハードシップ免責を受けるための条件について解説します。

予期せぬ事情により返済困難となった場合

再生計画の変更が認められるには、返済計画の実行が「著しく困難である」ことに対して、ハード・シップ免責を受けるには、返済計画が「極めて困難である」ことが求められます。生活保護申請レベルまで生活を切り詰めても、返済ができない場合が該当します。

たとえば、個人で店舗を運営している方であれば、地震や火事の類焼などにより事業継続が困難になった場合が当てはまります。あるいは、病気にかかってしまい長期で入院することにでもなれば、ハードシップ免責の対象となる可能性があります。

4分の3以上の返済が終わっている場合

ハード・シップ免責を受けるためには、返済総額の4分の3以上を返済していなければなりません。個人再生は完済が前提の手続きであるため、完済に近いほど返済していることが条件となるのです。

これが、自己破産が借金全額を免責されることと大きく違う点です。債権者への返済を一定程度は保証しようという、個人再生制度の特徴ともいえるでしょう。

債権者が再生計画時より多くの返済を受けている場合

ハードシップ免責を受けるためには、再生計画が認可されたときの清算価値以上を返済している必要があります。こちらも、債権者への返済を一定程度保護するための要件といえます。

たとえば、再生計画で100万円を支払うことで認可されたのであれば、100万円以上の返済が終わっていなければいけません。

返済計画の変更で対応できない場合

ハードシップ免責を受けるためには、返済計画を変更しても返済できないことが必要です。つまり、最長で7年の返済期間を与えてもらっても、月々の返済が困難な状況であることが求められます。

債権者からすれば、返済計画の変更によって少しでも多くの返済をしてもらった方がよいわけです。そのため、返済計画の変更でも対応できない場合に限り、免責を受けることが可能となるのです。

個人再生も初めての相談は弁護士費用無料

個人再生の相談は、弁護士費用が無料で受けられる事務所を選ぶようにしましょう。

無料相談を受けたうえで正式に依頼したほうが、納得したうえで手続きを進められるからです。

私は「自己破産」をしているのですが、初めての相談は無料で受けることができました。弁護士の先生との相性もよかったので、その後、正式に依頼することにしたのです。

しかし、なかには強引に契約しようとする事務所もあります。

代理人契約を結ばずに手続きを開始し、終わってから高額な報酬を求められる場合もあります。そのためには、事前に比較・検討しておくことが大切なのです。

当サイトで紹介している事務所は、債務整理の経験が豊富な事務所ばかりなのでおすすめです。

個人再生費用の内訳

無料相談を受けてみて、弁護士・司法書士との相性が良いと感じたら、代理人契約を結ぶことになります。そして、正式な依頼後は、弁護士・司法書士費用が発生することになるのです。

この項では、個人再生の手続きにかかる費用の内訳をご紹介します。

着手金とは

着手金とは、正式に代理人契約した場合に支払わなければいけない費用のことをいいます。

だいたい30万円程度はかかります。金額については、事務所ごとに異なるため、無料相談の前に確認しておきます。着手金については、多くの事務所で分割払いに対応しています。事前に聞いておきましょう。

成功報酬とは

成功報酬とは、再生計画(返済計画案のこと)が認可され、個人再生の手続きが終了した際に支払います。成功報酬は、住宅ローン特則を利用しているかどうかで金額が違うのが特徴です。

成功報酬の金額についても、事務所ごとに異なりますので注意しましょう。

その他にかかる費用

個人再生委員に支払う報酬が必要となります。

個人再生の手続きは、債務者が借入先(債権者)と交渉して、再生計画をまとめなければいけません。その仲介役として、個人再生委員が必要となるのです。ちなみに、個人再生委員一人につき15万円程度かかります。

また、切手や書類の郵送代、事務所までの交通費がかかります。さらに、個人再生をすると「官報」に住所・氏名が掲載されます。官報に掲載するための費用もかかりますので、合計3万円程度を予定しておくとよいです。

まとめ

いかがでしたか?

個人再生は、任意整理と自己破産とのあいだに位置するような仕組みです。

任意整理よりも減額幅が大きく、月々の負担を減らすことができます。

また、住宅ローンを抱えている場合にも効果は大きいです。「住宅ローン特約」を利用することで、家を残すことができるからです。

ただし、任意整理と同様に返済が継続するということを忘れてはいけません。借金の返済が免除になるのは、自己破産だけだからです。

個人再生のメリットを十分に理解して、あなたが生活を立て直すうえで利用できるのかを検討してみてください。

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