費用を抑えるなら任意整理!メリット・デメリットをご紹介

任意整理は裁判所を通さないため、債務整理のなかではもっとも利用されている手続きです。とくに、借入総額が100万円以下の方が多く利用する傾向にあります。

やはり、裁判所を介さずに手続きできるという点で安心感をもつ利用者が多いのではないかと感じます。

一方、良い面ばかりではないのも事実です。借金を減額する手続きである以上、個人再生や自己破産と同じように、リスクがあることも理解する必要があります。

具体的には、以下の8つのリスクを考慮しなければなりません。

任意整理のリスク
  1. 減額効果が小さい
  2. 減額後も返済は継続する
  3. 任意整理できない場合がある
  4. 家族にバレる可能性がある
  5. 保証人に影響する場合がある
  6. 家族に影響する場合がある
  7. カードの発行・利用が制限される
  8. 一定期間はローンなどの借入が制限される

そこでこの記事では、任意整理した場合にどのようなリスクがあるのか? という点について解説します。リスクをしっかりと理解したうえで、任意整理すべきかどうか考えてみてください。

借入先との合意が大前提

任意整理とは、借入先と当事者が話し合い、合意することで成立する借金整理の方法です。とくに手続きの形式が決まっているわけではありません。

個人再生や自己破産の手続きと大きく違うのは、裁判所を通さない手続きであるということです。そのため、借入先との合意次第で自由に返済条件を変更できるのが特徴といえます。

たとえば、120万円の借金があった場合に、借入先から「120万円のうち100万支払ってくれたら良い」という内容で合意できれば、100万円を支払えば残りの20万円は免除されます。

いずれにしても、借入先がOKを出さなければ何も始まりません。合意を得るためには、事前に借入先が納得するような「整理案」を提示する必要があります。

なかには、複数の会社から借り入れしているという方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、1社ずつ交渉しなければいけないため、かなりの労力を必要とします。

家族の協力が成功の秘訣

借入金額が大きく、任意整理するのが難しいようなケースでも、家族の協力によって返済が可能となる場合があります。

任意整理は減額後の借入を3~5年で返済するため、借入金額が多ければ、当然、月々の返済額が負担となります。

そこで、妻(夫)や親から、金銭的な支援が受けられないか相談してみるのも一つです。

とくに、親御さんは緊急時のために貯金をしている場合があります。我が子が苦労している姿を見て、放っておく親などいません。いちど相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?

任意整理についてのQ&A

任意整理についての、よくある疑問にお答えします。任意整理は債務整理手続きの一つですが、個人再生や自己破産に比べて制約が緩いのが特徴です。

以下の質問では、個人再生や自己破産と比べたときの違いとともに開設します。

任意整理すると住宅ローンは組めないの?

任意整理すると住宅ローンが組めなくなります。いわゆる「ブラックリスト」に登録されてしまうため、新たな借入ができなくなるのです。

制限期間は、完済から5年であるといわれています。返済期間も合わせれば、8~10年(個人再生は7~10年、自己破産は10年が一般的)かかると考えましょう。

実際には借入先によって制限期間は異なるため、正確なところは「信用情報機関」に問い合わせる必要があります。

借入が制限されるとはいえ、永久に借りられないわけではありません。ふたたび借りられるようになるまでの期間は、頭金を貯めるなど、貯蓄に専念すればよいのです。

任意整理後に得た収入は、あとから没収されることはありません。まずは、借金問題を解決する方を優先しましょう。

任意整理後の生活が不安…

任意整理をしても、とくに生活が変わるようなことはありません。むしろ、借金が少なくなったことで気持ちがラクになり、性格が明るくなったと実感することもしばしばです。

クレジットカードが使えなくなるため、現金払いの生活に変えていく必要があります。ただ、現金払いの方が無駄遣いしなくなるため、却って良かったのではないか? と感じるほどです。

家族や会社にバレずに手続きできるの?

すでにご紹介した事例にもあったとおり、家族に内緒で任意整理の手続きを進めることができます。また、会社にバレることもありません。あなたが話さない限り、誰かにバレるようなことはないのです。

周囲のことは気にせずに、なるべく早く手続きを進めてください。放ったらかしにしていれば、借入先から裁判を起こされるリスクもあるからです。

戸籍に記録されるの?選挙権は?海外は行けるの?

任意整理をした事実が、戸籍に登録されることはありません。結婚して戸籍を閲覧する機会があったとしても、過去に任意整理したという事実はわからないのです。

また、任意整理しても選挙権が奪われることもありません。地域の選挙人名簿にも、任意整理した事実は残りませんので、安心して投票に行きましょう。

そしてさいごに「海外に行けるのか?」という疑問についてですが、もちろん問題なく行くことができます。パスポートの取得が制限されるわけではありませんし、パスポートの表示から任意整理した事実がバレることもないのです。

任意整理で借金を減額して、完済後には家族と一緒に海外旅行に行くのもいいですね。

任意整理のデメリット

任意整理は、将来利息(完済までにかかる利息)をカットしたり、返済期間を長期化したりすることで、完済までの負担を小さくする手続きです。

個人再生や自己破産に比べて手続きに時間がかからないため、債務整理のなかでも利用する方が多いのが特徴です。

この項では、任意整理特有のリスクについて解説していきます。

減額効果が小さい

任意整理は、裁判所をとおさず、借入先と直接交渉するのが特徴です。個人再生や自己破産のような「強制力」がないため、大幅な減額が期待できないのが欠点です。

以下の表では、任意整理を弁護士・司法書士に依頼した場合にいくら減額されるのかをあらわしています。

 残債務その他費用支払総額
返済を続けた場合1,000,000円将来利息301,468円1,301,468円
任意整理した場合1,000,000円報酬129,200円1,129,200円
差額172,268円
司法書士に任意整理を依頼した場合

任意整理することにより、完済までにかかる利息301,468円の支払いが免除されました。

一方で、弁護士・司法書士に支払う報酬額が129,200円かかっています。差し引きすると、172,268円の支払いを免除された格好となりました。

個人再生や自己破産と比べれば、それほど減額されたイメージではありません。現状、返済で首が回らないようであれば、個人再生や自己破産などを検討した方が良いのかもしれません。

減額後も返済は継続する

任意整理をしても、借金がなくなるわけではありません。自己破産で免責となれば、返済不要になることとは対照的です。

以下の表をご覧ください。たとえば、任意整理後の借金が100万円であった場合、通常は3年(36回)かけて返済していくことになります。月々に換算すると28,000円ほどになります。

借入金額返済総額(任意整理した場合)返済総額(任意整理なし)
100万円100万円(月々28,000円弱)1,195,943円(月々33,215円)
200万円200万円(月々56,000円弱)2,391,850円(月々66,430円)
300万円300万円(月々84,000円弱)3,587,757円(月々99,644円)
※任意整理後の分割払い例(36回)
※実質年率は12%
※上記は、減額後の金額として計算しております。

毎月安定した収入があり、3万円程度の返済が可能であれば任意整理した方がよいと考えます。

しかし、政活費以外で3万円の支払いは結構な負担です。

私も、初めは任意整理で減額したうえで返済していくつもりでした。

しかし、借金が450万円もあったため3年間で返済することは無理があるといわれ、不本意ながら自己破産することになったのです。

任意整理手続き上のリスク

債務整理のなかでも、任意整理は気軽に利用できそうなイメージがあります。弁護士・司法書士事務所も任意整理を中心に宣伝しているため、任意整理を希望する人が多いのです。

この項では、任意整理手続き上のリスクについてお話しさせていただきます。

任意整理できない場合がある

そもそも、任意整理できない場合があります。任意整理は毎月一定額を返金する必要があるため、安定的な収入が得られることが前提となります。つまり、無職や低収入である場合には、任意整理することができないのです。(私はこのケースに該当しました)

また、相談した際に任意整理が適切でないと判断される場合があります。たとえば、弁護士や司法書士への報酬を支払う能力がないのではないかと判断された場合が該当します。具体的には、収入が低いために返済能力がないと判断されることがあるのです。

任意整理を弁護士や司法書士に依頼した場合、1社あたり50,000円程度の費用がかかります。安定した仕事に就かないなど、一定の収入がない依頼者からの相談については断られる場合もあるのです。

任意整理は、毎月一定の収入がある方のみ利用できる手続きです。生活費などの支出を差し引き、返済に充てられる金銭的な余裕がなければいけません。

無職やアルバイトなど安定的な収入を得られない方の場合には、法テラスの立替制度を利用するとよいでしょう。

家族にバレる可能性がある

任意整理は家族にバレずに手続きできると言われていますが、バレない可能性が全くないというわけではありません。たとえば、クレジットカードを作った際の電話番号を自宅で登録していた場合、クレジット会社から自宅に電話がかかってくる可能性があります。

任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると、借入先は本人に対して請求することができなくなります。これは貸金業法という法律で定められており、規定に従わないと罰則を課せられてしまうからです。

つまり、任意整理を依頼したあとは、基本的に家族にバレる心配はいりません。問題となるのは、弁護士や司法書士に依頼する前の段階にあります。借入先から電話がかかったり、手紙が届いたりすることによってバレる可能性があるのです。

バレないためには、返済が少しキツく感じられた段階で、早めに弁護士・司法書士に相談されることをおすすめします。

保証人に影響する場合がある

住宅ローンや奨学金など、お金を借りる際に保証人が必要な借り入れがあります。このような借金がある場合、任意整理することで保証人に迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

保証人付きの借り入れは、本人が返済できなくなると保証人に請求がいくことになっています。

ただし、任意整理は整理先を選ぶことができます。つまり、保証人付きの借入先は任意整理せず、その他の借入を整理すれば保証人に迷惑をかけることにはなりません。

この点、個人再生や自己破産は整理先を選べません。全ての借入先を整理する必要があるため、保証人に迷惑をかける結果となるのです。

保証人付きの借入先は整理せず、返済することが可能であれば、任意整理による解決も目指せます。

家族に影響する場合がある

任意整理をすると、いわゆるブラックリストに登録されます。

ブラックリストとは信用情報機関に金融事故として記録されることです。この記録が残っていることにより、住宅ローンやカーローンを組むことができなくなってしまいます。

将来的に「家を持ちたい」「車の購入したい」考えている場合には、収入を増やすなど任意整理せずに返済する方法を考える必要があります。

また、任意整理すると保証人になることができなくなります。

たとえば、子どもが進学の際に借りる奨学金は通常親が保証人になります。しかし、親が任意整理してるために子どもは奨学金を借りることができなくなってしまう可能性があるのです。

任意整理することで、いま抱えている借金は確実に減額することができます。

しかし、ブラックリストに登録されることによって、家族への影響は避けられません。任意整理する際には、よくよく考える必要があるのです。

任意整理後のリスク

任意整理の手続後には、さまざまな制限があることを理解しておかなければいけません。制限があることを理解したうえで手続きしなければ、思わぬ不自由な生活を余儀なくされてしまうからです。

カードの発行・利用が制限される

任意整理をするとクレジットカードやキャッシングカードを新しく発行することができなくなります。任意整理することで、個人信用情報がブラックリストとして登録されてしまうからです。

実際、わたしが自己破産したときには、手続き開始とともにクレジット会社から「カードの利用を停止する」旨の案内が届きました。この通知は封書で送られてきますが、「任意整理した」という事実はいっさい書かれていません。

ただし、任意整理後であっても使えるカードはあります。それは「デビットカード」です。

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自己破産しても発行できるデビットカード

デビットカードは銀行口座に預金があれば使えるカードです。クレジットカードと違って、「使いすぎる」という心配がありません。クレジットカードと同じように使えますので、とくに不便は感じられませんでした。

ただ、一部の通販サイトではデビットカードが使えないため、コンビニ払いや代引き払いする必要はあります。

一定期間はローンなどの借入が制限される

既にお伝えした通り、任意整理をすると住宅ローンやカーローンなどの借り入れが、一定期間制限されます。

これは、任意整理した情報が信用情報機関に一定期間の保存されるためです。銀行や金融会社は、信用情報機関の情報をもとに融資すべきか決定しているため、任意整理することで借入ができなくなってしまうのです。

任意整理の場合、完済してから5年間は新たな借り入れができないと言われています。この期間については、借入先によって様々であり、一概に完済から5年とはいい切れません。

個人再生や自己破産は、任意整理よりも制限期間が長くなっています。個人再生で7年、自己破産の場合は10年間、お金を借りることができないといわれています。

ただし、上記の期間はあくまで目安です。正確な情報は、信用情報機関に問い合わせしてみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

ここまでお伝えしてきた通り、任意整理をすると以下のようなリスクを考えておく必要があります。

任意整理のリスク
  1. 減額効果が小さい
  2. 減額後も返済は継続する
  3. 任意整理できない場合がある
  4. 家族にバレる可能性がある
  5. 保証人に影響する場合がある
  6. 家族に影響する場合がある
  7. カードの発行・利用が制限される
  8. 一定期間はローンなどの借入が制限される

このように、任意整理することで自分だけでなく家族に影響があるということも理解する必要があります。

少しの間だけアルバイトをするなど、収入を一時的に増やせば返済できるのではないか? といったことも検討したうえで任意整理すべきだと考えます。

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