費用をおさえるなら特定調停!任意整理との違いについて解説

債務整理をしたいけれど、費用が高いことを理由にあきらめる人は多いです。多重債務者(借入件数が3件以上の人)の人口は、減少傾向ではあるものの、毎年100万人を超えています。

一方、消費生活相談(全国の消費生活センターでおこなわれている相談のこと)に訪れる人の割合は、たった1%ほどに過ぎません。

借金に苦しみながらも、ギリギリの生活で返済を続けている人が多いのでしょうか。その結果、返済するために新たにお金を借りるという悪循環に陥ってしまう場合もあるのです。

そこでこの記事では、特定調停の特徴と手続きの流れについて解説します。

特定調停とは

特定調停とは、簡易裁判所で「調停委員」に仲介してもらい、貸金業者との間で返済計画をまとめる手続きのことです。

たとえば、将来利息(完済までにかかる利息)が15万円の場合、「利息の15万円を減額し、3年かけて返済する」といった条件で合意を目指す手続きのことをいいます。

債権者・債務者それぞれが調停委員と個別に面談し、話し合いがまとまれば、調停証書を作成します。債務総額の2%程度(100万円の借入なら2~3万円程度)を毎月返済可能であれば、特定調停を検討してもよいでしょう。

調停では、今後の返済計画について話し合われます。

話し合いの効果としては、前述したように将来利息(元本にたいして、完済までにかかる利息)がカットされる場合がほとんどです。

◆補足◆調停委員には、ベテランの弁護士・司法書士が任命される場合が多いです。調停委員を交えて、双方が納得できる解決策を見いだせるよう、お手伝いをしてもらえます。

特定調停をおこなう場合、調停委員2人と弁護士1人で構成されるのが一般的です。


引用元:裁判所ウェブサイト

通常、任意整理を弁護士や司法書士に依頼した場合、費用は少なくとも15万円程度必要です。

しかし、調停委員の報酬は裁判所から支給されるため、あなたが用意する必要はありません。

返済が苦しいときに報酬を支払うことは大変ですよね……。

特定調停は、弁護士(司法書士)への支出が抑えられるため、金銭的に余裕のない債務者にとって、心強い制度であるといえます。

申立書を用意して裁判所に提出する

特定調停をおこなうには、3種類の書類を提出しなければなりません。「特定調停申立書」「特定債務者の資料等」「関係権利者一覧表」の3種類です。( 裁判所ウェブサイトよりダウンロードできます)この書類は、あなた自身が記載しなければならないのです。

あなたの資産状況を明らかにし、どのような解決方法(返済額や期間など)を望んでいるのか? を示す必要があるからです。

具体的な目安としては、借入総額の2~3%を毎月返済できるように、話し合いをすすめていきます。話し合いがまとまれば、合意内容が調書に記載(確定判決と同等の効力がある)され、手続きは終了するのです。

「特定調停申立書」の記載内容

特定調停申立書は、以下の内容を記載します。借入先が複数ある場合には、一件につき一通の申立書を用意する必要があるのです。

  1. 申立人(あなた)の住所・氏名・生年月日・連絡先
  2. 相手方(借入先)の住所・会社名・代表者名・連絡先
  3. 申立の趣旨には、債務額を確定したうえで、支払い方法についての要望を記載します。
  4. 紛争の要点には、債務の種類、契約の状況等(契約日・借入額・借入残高・契約番号)

「特定債務者の資料等」の記載内容

「特定債務者」とは、あなた自身のことです。特定債務者の資料には、あなたの資産状況を記載します。

具体的には以下のとおりです。

  1. 申立人の資産等には、あなたの資産状況を記載します。具体的には、「預貯金」や「証券」などを記載します。
  2. 申立人の生活状況には、あなたの職業・勤務先・勤務先連絡先・月収(手取り)を記載します。また、家族の名称や続柄、月収を記載する必要がありますます。

「関係権利者一覧表」の記載内容

「関係権利者一覧表」とは、あなたが借入先からいくら借りているのかを申告するための書式です。借入先について漏れなく記載しましょう。

記載する内容は以下の通りです。

  1. 氏名・住所には、借入先の名称・住所を記載します。
  2. 債権の発生原因・内容には、借入年月日・借入額・借入残高を明記します。
  3. 担保権の発生原因・内容には、どのような理由で借入したのかを記入します。具体的には、「生活資金」「教育資金」といった記載になります。

特定調停を申し立てるには、上記の書類を裁判所に提出しなければいけません。また、借入先に対して、借入残高がいくらあるのか? などの情報を求める必要があります。

私の場合は、すべて弁護士に依頼しました。借入先に電話をして、書類の準備をお願いすることなど、とても考えられません。難しい交渉は弁護士に代理してもらったため、本当に助かりました。

特定調停と任意整理の違いはセルフかフルサービスか?

特定調停と任意整理の違いは、ガソリンスタンドのサービスの違いに似ています。

セルフのガソリンスタンドは、通常は値段が安いというメリットが一番です。

給油をはじめ、窓拭き、点検・ゴミ捨てなど、すべてのサービスはおこなわれず、ドライバー自身が行う必要があります。

一方、フルサービスのガソリンスタンドでは、上記のサービスはすべてスタッフがおこなってくれます。それだけに、単価が高く設定してあります。

同じことが、特定調停と任意整理の関係でもいえます。

そこでこの項では、特定調停と任意整理の違いについて、項目ごとにお伝えしていきます。

借金整理に特定調停は有効か?デメリットについて解説

借金整理の方法として、特定調停を利用する人は減少傾向にあります。面倒な書類作成や、裁判所に出向く必要があることなどから、負担と感じる方もいるいるからです。

なかでも、以下のポイントがデメリットといえるでしょう。

特定調停のデメリット

冒頭でもお伝えしましたが、特定調停は費用を抑えられることが魅力です。

ただ、費用面だけで選択すると、後悔することにもなりかねません。たとえば、特定調停の手続きをおこなうには、裁判所が指定する日に何度も足を運ばなければいけません。「仕事で休めないから行けない」というわけにはいかないのが実情です。

そのため、特定調停のデメリットについても理解しておくとよいでしょう。

以下では、特定調停のデメリットについて解説します。

借入先に申立書が到着するまで督促が続く

特定調停申立書が裁判所で受け付けられると、借入先へ調停期日の通知が発送されます。その結果、借入先は督促をおこなうことができなくなります。

通知を受け取った債権者は、「貸金業法第21条」に基づき、取り立て行為が禁止されるからです。

これは、弁護士や司法書士が借入先に発送する「受任通知」と同じ効果があります。通知を受け取った双方は、調停期日に裁判所に出向かなければいけません。弁護士(司法書士)に依頼した場合と比較すると、手続き面の負担は大きいといえるでしょう。

申立書の準備や、調停期日の発送までには、相当な時間がかかります。そのあいだにも、借入先からの督促は続くことになります。

私の場合は、すべて弁護士の先生が代理して手続きをすすめてくださいました。借入先からの電話は掛かってきましたが、「無視しても大丈夫」とアドバイスされたため、出ることはありませんでした。

弁護士に依頼し、免責(借金の返済がゼロになること)となるまで6か月ほどかかりましたが、そのあいだ、裁判所に出向くことはありませんでした。すべて、弁護士の先生にお願いしたからです。

一方、特定調停はすべて自分でおこなわなければいけません。書類の準備や裁判所での調停など、とても時間とストレスがかかるということを覚悟しておきましょう。

平日に裁判所に出向かなければならない

特定調停は、サラリーマンには向かない手続きであるといえます。

なぜなら、手続きは平日しか受け付けてもらえず、調停で裁判所に出向く回数も少なくないからです。

たとえば、調停委員会は一回の開催で終わるものではありません。合意するまでは何度も出席しなければいけません。さらに、債権者が複数である場合は、それぞれの調停期日(裁判所から指定された日)に出席する必要があります。

仮に、3社で借り入れがある場合、少なくとも1社あたり2回は裁判所に出向く必要があります。そのたびに会社を休むことができますか?

弁護士(司法書士)に依頼すれば、あなたは会社を休む必要はありません。費用は分割払いもできるため、まずは無料の相談を受けてみることをおすすめします。

書類の準備や調停期日の出席など、特定調停をおこなうには想像以上の手間がかかります。サラリーマンをしながら、一人で手続きするということは、実質的に難しいといえるでしょう。

調停委員は過払い金請求できない

調停委員が過払い金の請求を代理してくれることはありません。調停委員は、「あなたの代理人」ではないからです。すでにお伝えしたように、調停委員の報酬は裁判所から支払われます。公正な立場で、あなたと借入先の「言い分」をまとめるのが仕事なのです。

ただし、特定調停の手続き中で、過払い金の有無を調べることは可能です。

しかしながら、調停委員には過払い金請求をする権利はないため、過払い金を取り戻すには、自分で返還請求をおこなうか、弁護士(司法書士)に依頼するしかないのです。

特定調停は任意整理より費用が安い

特定調停の一番のメリットは、費用が安いということに尽きます。

任意整理ですと、弁護士・司法書士報酬として十数万円からの支出が必要ですが、特定調停は一社あたり1,000円程度で手続きできるのです。具体的には、手数料と郵送料(切手代)を支払えば事足ります。

一方、任意整理の手続きを弁護士・司法書士に依頼すれば十数万円かかるのが普通です。費用面では、特定調停に部があると言って良いでしょう。

特定調停は手続きすべて自分でおこなう

特定調停は手続きをすべて自分でおこなわなければいけません。

たとえば、申立書の作成はご自身で記載しなければいけませんし、住民票など書類を準備するために、平日に役所へ出向く必要があります。

平日の昼間は仕事をしているという方が大半ですので、合間で役所に行くことは簡単ではありませんよね?

一方で、任意整理を依頼した場合には、書類の取得などは代理しておこなってもらうことができます。つまり、住民票を取得するという行為を、弁護士や司法書士に依頼するわけです。

ただ、私の場合は平日に有給を使って仕事を休み、役所へ書類の取得に出掛けていました。狭い地域ですから、弁護士に代理して書類を取ってもらうことに躊躇いがあったからです。

しかし、人工の多い地域では代理人が書類の取得に出向くことなど普通におこなわれています。どうしても平日昼間に役所に出向くことが難しいのであれば、費用は高付きますが、弁護士・司法書士に任意整理を依頼した方が良いでしょう。

申立書到着まで借入先から取立が止まない

特定調停の申立書は、自分で作成しなければいけません。そして、申立書が借入先に到着すれば、執拗な督促がストップできるのです。

申立書の作成そのものは難しい内容ではありませんが、弁護士・司法書士が手続きすることと比べれば、時間がかかることは明白です。

申立書の準備に手間取っているうちに、借入先からの督促が徐々に届くようになります。なかには、裁判をおこして資産を差し押さえるといった行為に出る業者もあるのです。

弁護士・司法書士に依頼すれば、手続きはとてもスムーズです。弁護士(司法書士)が「受任通知」を送付すれば、以降、督促行為をおこなうことができなくなります。なぜなら、貸金業法により厳しく規制されているからです。

私のケースをご紹介しましょう。

私は債務整理(自己破産)を弁護士さんに依頼しました。そこで弁護士さんから、「今後の借入先とのやり取りは、すべて弁護士が代理する」と言われたのです。

心強かったですね……

手続きが始まると、借入先らしい電話番後から何本も電話が入りました。

でも、弁護士さんに言われたとおり、すべての着信を無視し続けたのです。さらに、督促状とおぼしき書類も届きましたが、開封せずに弁護士さんに渡していました。

その結果、自分が不利になるようなことは一切起こらなかったのです。

裁判所への出頭が必要

特定調停は、調停委員を仲介して借入先と交渉することになります。調停委員がそれぞれの言い分を聞いて、合意できる内容で借金整理がおこなわれるのです。

ただ、調停委員との面談は裁判所でおこなわれるため、平日に裁判所に出向かなければいけません。裁判所も官公署ですので、土日には手続きができないからです。

つまり、面談の都度、仕事を休む等の対応が必要になります。話し合いが合意できるまでには、何度か出向く必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

特定調停のメリットは、費用がかからないという点しかありません。書類作成や提出、借入先との交渉についても、自分自身でおこなう必要があるのです。

さらに裁判所への出頭も必要となれば、想像しただけでもハードルが高いですよね……

費用が破格である点は魅力ですが、ご自身の手間ひまを考えると、専門家(弁護士・司法書士)に依頼した方が安心です。

まずは下記の無料相談を受けてみてください。初期相談は一切お金がかかりませんので、費用について事前に相談してみるのもよいでしょう。

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